契約書について

契約書作成の意義

日本においては、基本的に、契約の締結に書面は必要とされておらず、口頭のみでも契約が成立します。(一部の例外を除く。例えば、保証契約は書面による必要があります。)

ただ、実務上、ビジネスにおいては、契約書を作成することが一般的です。理由としては以下のものが考えられます。

・契約した事実や契約内容を証明する証拠となる

・契約遵守の意識を高める

・契約後のルールを明確化する

・企業としての信頼度を向上させる

契約書の形式

上記の通り、基本的には口頭のみでも契約は成立するため、契約書の形式は基本的には定められていません。(一部の例外を除く。例えば、雇用契約書のように必要的記載事項が定められている場合があります。)」

覚書のような名称・形式でも、立派な契約書です。大切なのは、契約書の内容です。契約書の作成理由や各契約の性質をきちんと理解したうえで、それぞれの契約にあった契約書を作成することが望ましいです。

例えば、今後何回も契約を締結することが想定される場合、基本的な共通項(損害賠償条項など)のみを抜き出した基本契約を最初に締結し、それぞれの契約ごとに個別契約書を作成し対応するといった方法が考えられます。

契約書のポイント

契約書は、実体の契約があってこその書面です。契約書のチェックの前に、必ず、当事者間でどのような合意がなされているか、どのような契約像なのかをきちんと把握することが何よりも重要です。

契約の性質を考える

契約の内容が確定したら、次に、その契約はどのような性質をもつものなのかを意識します。契約は、民法で定められている類型のどれにあたるか、大まかにカテゴライズすることができます。一からオーダーメイドでの作成は手間がかかるため、既存のひな型をもとに、それぞれの契約に合致する形で修正することもできます。

場合によっては印紙を貼らないといけない場合があるので、その点も注意しましょう。(印紙税の一覧表/国税庁のHPが開きます。

曖昧な文言はつかわない

曖昧な文言を契約書に用いるのは絶対に避けましょう。実際になにかがあったときに、さまざまな解釈ができる文言は、争いのもとです。曖昧な文言を使うくらいなら、その条項自体がないほうがましとも言えます。

なお、契約書に記載のない事項であっても、結果として、法律の原則が適用されることがあります。(例:たとえば、債務不履行に基づく損害賠償条項は記載がなくても民法の原則が適用されます。)

※悪い例

・【甲と乙は締結する。】

→もう少し具体的に記載た方が良いです

・【甲または乙は、相手方に直接損害「等を」請求できる】

→「等」とはなにかに疑義が生じます。

・【甲または乙は「時期が来たら」契約金額を変更することができる】

→いつなのかに疑義が生じます。

 

語尾や文言を統一する

契約書を作成する際、インターネットで調べた条項をそのまま用いると、契約書全体としてちぐはぐになることが多いです。契約の効力事体に影響はないですが、全体の見栄えが悪くなるので気を付けたいところです。


【○○とする】と【○○とします】の混合

条文番号のマークの混合(①と⑴など)

【機密保持】と【秘密保持】の混合

和暦と西暦の混合

取り消し・取消、および・及び、若しくは・もしくは等の混合

納入物と成果物の混合

または・もしくは・および・ならびに の誤用

 

遡及契約

場合によっては、契約の効力が発生する日を遡らせる必要があるケースも存在します。

方法として、

・契約の締結日を遡らせる

・契約の効力発生日を遡らせる

といったものが考えられます。

いずれにせよ、両当事者の契約締結権の問題が生じますので(遡らせる日付にはまだ取締役に就任していなかったなど)基本的には遡及契約は避けたほうが良いといえます。つまり、契約の締結日と契約期間の開始日はチェックポイントの一つです。